IT部門の将来は建築家?

社内のシステム開発を行う時には、そのシステムの主管部署を決めて開発を行うが、そこにパソコンの妙に得意な人がいるととてもやりにくい。 

Excelなどのマクロできめ細かく作れるような人のことだ。なんでも簡単にできると思っているので、「なんでそんなに時間がかかるの?」とか「この機能は入れて欲しいな」ととにかく要望が多い。機能が豊富なのが良いと思っているのか必要以上の機能を実装しようとする。 それは実際に使うユーザーの要望を「聞き過ぎて」過剰な機能が必要だと思い込んでいるのだと思う。 

現場のユーザーの声を聞くのはとても大事なことだけど、聞いたことを「留め置く」というステップが大事だ。「留め置いた」中から本当に必要なものを取捨選択するのがIT部門の腕の見せ所だ。単純に要望を聞きすぎると、マニアックな一部の人だけが喜ぶシステムになることが多い。その他大多数のユーザにとっては使いづらくなることが多い。 

IT部門を入れずに勝手に作ったシステムっていうのを聞いたことがあるが、そういうシステムが使われなくなったり、メンテナンス不全に陥るのは、そのシステムにいらない機能が多すぎたり、枝葉末節に拘わりすぎてメンテナンスビリティを考えていないからだ。 

システム構築は「家づくり」に似ていると思う。素人が要求する「吹き抜けがイイなあ」とか「やっぱりここは高い天井で」とか「公園を借景にしたいから大きな窓がいるよ」とかをいちいち実現してあげたりすると、筋交いのない、柱の足りない強度不足の家だったり、リフォーム不能の家になってしまう。そんなのは法的にも問題があるので建築家はNOと言える。 

が、システムは結構無茶苦茶作っても、見かけ上動いたりするので始末が悪い。プログラムのコーディングが悪くても、仕様書がなくてもとりあえず動くのであればいま現在はユーザーは困らなかったりする。なので、経営陣からすれば「早くて安ければイイ」ということになってしまう。 家づくりだとこんな事にはならないが、ITでは往々にしてこんなことになってしまう。

システムについても、自分がずっと住む家と同じ感覚を持って欲しい。デザインは美しく、使っていて飽きないもの、時間が経つにつれて味わいが出てくるようなもの、そういうシステムを作っていきたいのだが、なかなか「そういうのがイイね」というユーザは現れない。

IT部門の将来をいろんな人達と議論しているが、僕は「建築家」的なイメージではないかと思っている。顧客の要望を聞きながらも、地震に強く、住む人の将来設計に合わせて変更可能で、住んでいて住み心地のイイ家を作る感じ…。

建築家には一級建築士という資格があるが、IT部門のコンサルタントにもそういう資格を作って、その人がかならず設計に参加しなければいけないようになればいいのになと思ったりする。

実は僕は大学に入った後、建築科に入り直そうと思ったことがある。なので建築については思い入れが強い。できれば今やっている仕事で昔なりたかった「建築家」になれればなと妄想するのだ…。
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