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優劣のかなたに

昨日今日と中小企業診断士の試験を受けに近畿大学へ行った。

土日に何かをするという予定が決まっていると、かなり計画的にできるもので、今朝は早くから起きて、風呂掃除をし、庭の草むしりをし、隣から進出してきたバラの木を隣のご主人に断ってから伐採するなど一連の雑用を済ませてから、試験を受けに行った。

来週からはちゃんと休みの日の予定も立てよう。

それはそうと…、
試験の帰りに天王寺の本屋でふと手に取った「評伝 大村はま 言葉を育て 人を育て」という本の最後に掲載されていた「優劣のかなたに」という詩が印象に残った。

教育とは何なのか?ということを考えた時に、教師と生徒が、教え合う、そのことに没頭しているという状態、チクセントミハイの言う「フロー状態」になっているということが大事なのだとその詩では語っている。

ところが、世の中はそんな教育はもとめられておらず、まずは「良い学校」「良い大学」へという流れがいまだに続いている。あろうことか、その愚かな幻想を満足させるために、日夜受験塾が受験技術を競っている。それが果たしてこの国に必要な教育なのだろうか?と疑問を感じずにはいられない。結局、「勝ち組、負け組」の嫌な世の中は、「中学受験」をひたすら推進する親達が後押ししているだけのような気がする。

教育は勝ち負けではないのだ。確かに受験では合格、不合格を出す必要があるので、勝ち負けはあるかもしれない。だけど、そのあとのことが大事だ。教育熱心な人々がゴールと考えている大学のことだ。大学は実はゴールでもなんでもなく、次には就職が待っているが、そこが内田樹先生が言うように、受験のように努力だけではうまくいかない状況が待っている。ここではじめて受験技術だけを学ぶことが全く意味をなさないことに気付くのである。

就職の段階で「就活」とよばれるバカな儀式をいまだに企業も学生も続けている。こんな馬鹿げたことをしているのはおそらく日本だけだろう。新卒採用などヤメるべきだと私も思う。入社式などいうものがあるのは世界でも日本だけと聞く。他国は毎月バラバラと新入社員が入ってくる。その方がいい制度だと思う。大学を卒業してもすぐには就職せずに、見聞を広めたり、ボランティアをしたり、海外協力隊に参加したりするそんな人材の方が断然、私には魅力的だ。

そもそも大学生の本分は勉強である。勉強もせずに就職活動に現を抜かしている学生が社会人になるのかと思うと幻滅してしまう。会社員として必要な教養、センスを身につけぬまま会社に入ってくる時代はもう終わるべきだと思う。自信を持って「私はこんなことをしてきました」と言える学生が欲しい。

そんなことをつらつら考えると、教育の本分は、決して受験技術を覚えていい大学に入ることではなくて、自分の得意分野をとことん掘り下げれるかどうかということなのだと思う。研究したいことをとことん深く学ぶこと、これなんじゃないだろうかと思うのだ。

そのために必要なことはまず日本語をしっかりと身につけるということだ。思考は言葉で行うからだ。日本語でしっかりと思考し、考え抜くという態度がまずもって重要だということだ。


(以下、「優劣のかなたに」より)

『優劣のかなたに』 大村 はま

 

優か 劣か 

そんなことが 話題になる, 

そんなすきまのない 

つきつめた。


持てるものを 

持たせられたものを 

出し切り, 

生かし切っている 

そんな姿こそ。


優か劣か, 

自分はいわゆるできる子なのか 

できない子なのか, 

そんなことを 

教師も子どもも 

しばし忘れている。


思うすきまもなく 

学びひたり 

教えひたっている, 

そんな世界を 

見つめてきた。


一心に 学びひたり 

教えひたる, 

それは 優劣のかなた。 


ほんとうに 持っているものを生かし, 

授かっているものに目覚め, 

打ち込んで学ぶ。 


優劣を論じあい 

気にしあう世界ではない, 

優劣を忘れて 

持っているものを出し切っている。


できるできないを 

気にしすぎていて, 

持っているものが 

出し切れていないのではないか。 


授かっているものが 

生かし切れていないのではないか。

成績をつけなければ, 

合格者をきめなければ, 

それはそれだけの世界。 


それがのり越えられず, 

教師も子どもも 

優劣のなかで 

あえいでいる。


学びひたり 

教えひたろう 

優劣のかなたで。


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