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ろう者の女子サッカー日本代表チームのドキュメンタリー映画「アイ・コンタクト」を観に行った

先週、雪の降りしきる建国記念の日に、大阪は九条にある「シネ・ヌーヴォ」という映画館で「アイ・コンタクト」という映画を見た。

 この映画は2009年に台湾で行われた「デフリンピック」に出場したろう者女子サッカー日本代表チームのドキュメンタリー映画で、試合のドキュメンタリーであると同時に「ろう者」はどういう生活をしているのかというドキュメンタリーでもある。

冒頭から出場者本人や家族の取材から始まる。昔のろう学校では手話を禁止していた話や、ろう者同士の結婚は反対されたとかの話や、ろう学校で幼児の頃は毎日毎日家に帰ってから絵日記を書いては今日あったことを何度も何度も子供と話したり、発音練習を何度もしたりというような話が続く。

そういえば、長男が小さい頃は、とにかく言葉を覚えさせようと必死で、家中のものに「テレビ」「れいぞうこ」「まど」「かがみ」「ピアノ」「ほんだな」「しょっきだな」…って感じで名前のシールを貼ったり、かみさんは毎日絵日記を書いては毎晩子供に今日あったことを話していた。聴力が軽ければまだ補聴器を通して残存聴力の活用ができたのだが、うちの子供は125デシベル以上の聴力損失でとてもじゃないが音が入らない。長男にとってみれば苦痛の幼児時代だったと思う。

それでも当時は聴覚口話法が最適の学習法と言われてきた。僕自身は今でも乳幼児の頃は残存聴力を生かした聴覚口話法が良いと思っているが、世の中は様変わりであれほど禁止していた「手話」を今は幼児の時から使うようになっている。もちろんろう者のコミュニケーション手段としての「手話」はとても大切で「手話」が必要なのだが、聴力が110デシベル以下の場合は乳幼児期に補聴器を通した残存聴力を活かした指導が大事だと僕は思う。

映画の中で聾学校の先生が「とにかく文章をたくさん読んで、言葉を入れていくことを大切にしている」という話があった。

思考は「言語」で行うわけで、日本人は日本語でものを考える。だから出来る限り音声日本語を手話よりも先に入れるべきなんじゃないかと思う。「みかん」も「りんご」も「ぶどう」もすべて「果物」と総称されるけれど、この総称概念を形成するまでが難しいという話もある。僕らは小さい時から音声で浴びるほど言語を聞いているので自然にその総称概念を形成できるが、音声から入らなければ言葉は極端に入力が減るのだ。だから、絵日記を繰り返し毎晩語りかけるということをしないと「言葉のシャワー」が足りずに、結果として言語の獲得が難しくなるのらしい。もちろんろう者夫婦の子供であれば手話のシャワーを浴びているので、それはそれで手話を第一言語として身につけられるのかもしれないが、僕らのように両親にそういうスキルがなければ音声日本語と文字で代替していかざるをえない。

聴覚口話法は両親にとって楽だから、口話に流れるという話もある。確かにそうだと思う。最近では「ベビーサイン」とか言って、赤ちゃんにサインを覚えさせて「トイレ」「だっこ」などをサインであらわそうとする動きがあるらしい、これなども親がそのほうが楽だから流行るんだなと思う。が、こんなことをしていると子供は耳を使わなくなり、発語も遅くなるのではないかと思う。子どもの聴力は活用すれば信じられないくらいすごい能力を発揮する。先程の補聴器を使った残存聴力の活用だが、小さい時から活用していると、110デシベルくらいの聴力でも十分言葉の判別ができるようになる。これが3歳を越えてから補聴器をつけても難しく、早ければ早いほど良い。逆に考えれば親から子供への語りかけが少なければ健聴者であっても能力は開発できないということも言えるかもしれない。

話が大幅に脱線してしまったので、話を映画の話に戻すが、女子サッカーチームの面々はごく普通の女性たちで、このデフリンピックを機会に結成されたチーム。結成時点では本格的なサッカーは初めてという感じだったが、3年間デフリンピックのために練習を重ねて出場することになった。このデフリンピックでは実績がないので全額自費で出場するという形の参加だったとのことだが、試合を重ねるごとに結束力が高まり、特に試合中に補聴器を外すルールになっているため、「アイ・コンタクト」が大事ということに気づき、試合の中でも下を向かずお互いを信頼し合いながら頑張る姿を映し出していた。

試合のシーンや日常を丁寧に撮影したこの映画、ドキュメンタリー映画でありながら、最後には涙も出てくるすごくいい映画だった。大変なことはいっぱいあるだろうに、ごく自然に前向きに生きていく彼女たちに元気をもらえた。いい仲間と一生懸命ひとつのことをやり遂げるっていうのは人生にとって大事だなとあらためて感じた映画なのでした。

健聴者に是非見て欲しい映画だとも思った。ろう者はこうやって生きているんだということをわかって欲しいし…。

で、話はまたまた変わるが、この映画を上映していた九条の「シネ・ヌーヴォ」という映画館が渋かった。2つのスペースが中にあり、今回の上映はシネ・ヌーヴォxという小さい方で座席数が29席というものすごい小さな映画館。最初僕一人でどうなることかと思ったが、最終12人になってました…。

↓外観はこんな感じ。マンションの一階になんじゃこれというバラのオブジェ。が飛び出てる。
シネ・ヌーヴォー1
シネ・ヌーヴォー1 posted by (C)midwave

↓入ると、場末の路地裏の雰囲気。
シネ・ヌーヴォー3
シネ・ヌーヴォー3 posted by (C)midwave

↓超小ぢんまり。椅子の足の長さが後ろに行くほど長くなってるのに注目。
シネ・ヌーヴォー4
シネ・ヌーヴォー4 posted by (C)midwave
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