<< 稽古照今 | main | もう12月30日ですか? 海外出張で明け暮れた一年でした。 >>

ベテランを大切にする風潮に戻したい

JUGEMテーマ:ビジネス

バブル崩壊後、日本ではなぜか「成果主義」「実力主義」「個人主義」の風潮が出てきて、ベテランを大切にするという大事なことがおろそかになってきたような気がする。

年功序列、終身雇用という「安心」感のある仕組みを低成長の原因にしてしまい、いまだにそれを廃止する動きになってきている。これは日本にとっては非常によくない傾向だと感じる。

「成果主義」の場合、成果を測る必要があるが、それをどうやって測るというのだろうか? 営業職の場合は数字も出てくるからわかりやすいと思われがちだが、それだって顧客サービスを無視して量だけとってくればいいというものでもない。蒔いた種が成長するには時間もかかるので短期的には成果は計測不可能である。

そもそも、「自社の製品を買ってください」と、聞きたくもないのに強引に自社製品の説明ばかりする営業がいるが、取引先にとって必要なのは、取引先の会社の事業にその製品がどう役に立つのか、なのだ。こちらの事業構造をわかっていない、調べもしてきていないのに「提案があります」というおかしなことを言い出す営業も多い。当然、門前払いである。

営業ですらそうなのだから、工場労働や、人事・経理・総務などの管理系の仕事や、ロングタームのシステム開発の仕事などは評価するのが非常に難しい。

なので、そもそも「成果主義」を導入すること自体が不可能なのである。

話は変わって、「成果主義」の行末として、困ったと感じていることがあるのが、成果の出ない部署はロボットのような対応ですませても平気になってしまうということだ。時間さえ過ぎればいいと思っている社員が増えてくる。

今日も、某大型スーパーのポイントカードの入会窓口で手続きをしようとしたのだが、応対した女の従業員は笑顔の一つもなく、無機質な甲高い声でこちらが聞きたくもないカードの説明を始めるのだ。一瞬ロボットかと思ったが、どうも人間だったようだ。そんな全くこころのこもってない声で意味のない説明をされても全然肚に落ちないどころか、腹が立つだけである。レンタカーの窓口や携帯電話ショップの窓口でも同じような経験があるが、一体どうしてあんな通常では使わないような高速の甲高い声で喋るのだろうか?

先ほどの営業の例でも同じなのだが、「お客様のことを第一に考える」という企業のもっとも重要なことが最近の日本企業には欠落しているような気がする。だから自社製品の押し売りが始まるし、受付の女子はロボットでもよくなるのである。

こんなことでは日本は滅茶苦茶になってしまうのではないかと危惧している。

あと、成果主義導入で最も日本企業の良さがなくなっているのが、「ベテランを大切にする」ということなのではないだろうか?年をとったら昔ほど成果は上げられないかもしれない。それでもベテランは若手より給料をたくさんもらうべきだと僕は思う。

それは、大変な暗黙知を持っているからだ。そして、その暗黙知を形式知化するのもこれまた不可能に近い。

自分のやっているシステム開発の仕事の場合、どのあたりで開発の遅れが生じるのかとか、テストでどんな不備が出てくるのかとか、トラブルが発生した時に、何が原因でどう対処すべきかということは、知らないことでもほとんど勘と経験でわかってしまう。だから僕みたいなベテランを大切にしてねということだが、これを「マニュアルにせよ」と言われても無理なのである。KKD(勘と経験と度胸)などと揶揄されるが、これは実際にホントなのだ。

最近、製造業では「爆発事故」とか「火災」などが起きているが、これもベテランがいれば、事前に危険を回避できたことも多いのではないかと思う。ベテランのノウハウは一朝一夕には身につかない。職人として、長く仕事を続けているマイスターを大事にする国にならなければ、超一流国として存続するのは難しいのではないかと思うのだ。


 
仕事のやり方 | comments(0) | trackbacks(0)
 
Comment








   
 
Trackback URL
http://fukarei.jugem.cc/trackback/941
Trackback