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円安でも今の日本は輸出が増えない。

JUGEMテーマ:経済全般

現在の為替レートは1ドル120.46円である。異常な安さである。1ドル100円くらいが適正レートだと実感的には感じる。実際、今のレートはあまりに安すぎて、個人的には海外出張をする度に食費がかかりすぎてしまい出張手当を常にオーバーしてしまう状況で個人的にも赤字である。

アベノミクスの狙いとして「円安誘導し輸出を増やそう」という意図があるのだろうが、統計情報を見てみると円安になっても輸出が増えず逆に輸入が増えてGDPを押し下げている。理由の一つが、昔のように原材料を輸入して製品を作って輸出するというような加工貿易になっていないからだ。外国に売るものは国外の現地の工場で作っているケースが多い。特に輸出量の多かった自動車は主力の米国やアジアでは現地生産をしている。なので、日本からの輸出は増えないのだ。

もう一つの理由が、高度経済成長時代のように低付加価値製品の大量生産をしていた時と違い、今の日本は航空機部品の炭素繊維や、スマホ部品など高付加価値製品を作っているため、値段を下げれば売れるというものではなく、一定の輸出が確保された製品を作っている状況のため輸出量が増えないのだ。もちろん、円安なので、従来の価格を維持していれば円建てでの利益は増えるので輸出量は変わらなくても儲け自体は増えているケースが多い。

しかしながら、今のように円安が過ぎると今度は原材料の価格が値上がりするため、逆に価格を上昇させる必要が出てくる。昔のように単純に円安になればGDPが増えるという状況ではないのである。

あと、震災以降電気エネルギーを原子力でなく天然ガスや石油に頼っているため、異常に輸入が増えているため、輸出入のバランスが悪くなって輸入超過状態になっている。

そこに加えて消費税の3%増税により、消費が滞り、全体的に経済的なパフォーマンスが悪くなっているのが日本の今の現状である。

この状態を打破するには、まず円レートを100円前後に戻す必要がある。今のレートはあまりに円安に振れ過ぎであり、輸入に影響を与えている。

あとはデフレの脱却をはかるため意図的に物価を上昇させる必要があると思う。海外に出て感じるのは日本の物価が安すぎるということだ。衣食住全てにおいて割安感があり、本来の適正価格よりも下回っていると感じる。ただ、物価上昇のみが発生すると、今度は更なる消費の減退につながるので賃金上昇と常に同期させる必要がある。そのためにも特に大企業は従来のコストカット重視から脱却し、長期的な利益重視に視点を変更させる必要がある。特に中小企業に対してはこれ以上のコスト削減を依頼するのではなく、むしろ値段を高めに発注するくらいの勢いが必要で、日本全体の賃金アップをはかりながら物価を徐々に上昇させていく必要があると思う。

物価高は結局は資産価値を上げるので、企業の安定化につながる。特に大企業は資産を多く抱えているので資産価値上昇はBSを嵩上げするので利益向上にもつながる。

このように、円レートを1ドル100円に維持しながら、徐々に物価を上昇させるということは大変むずかしいが、「第3の矢」と言葉だけを発するのではなく、具体的に大企業の経営者の意識を変革させていく手法を取る必要がある。

あと、人事制度としての成果主義は撤廃し、賃金のカットや降格など将来の不安を煽るような振る舞いはせず、各人の賃金の安定を経営者が従業員に対して約束し、家や自動車など個人消費を向上させる施策を行うべきだと思うのだ。政府も年金の安定供給を約束する必要がある。給料と年金というこれらの将来への不安が個人消費意欲を減退させているのは間違いない。ここが高度経済成長時代と大きく違うポイントにもなっている。
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