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ポピュリズムに陥りやすい日本人の気質

日本人はどうも白か黒かの極端にブレる傾向にある。
 
時代劇でも悪者と正義の味方がはっきりと分けられている。勧善懲悪が好きである。
政治では中韓擁護者や反体制派をサヨク、安倍総理擁護者をウヨクと決めつけて、やれ左だの右だのと、中韓の話なのに中間がないのである。

で、話は「大阪都構想」の話である。

この前の大阪都構想の住民投票でも同じで、橋下氏が頑張っている「改革」に賛成なのか反対なのか?というものすごく極端な話になってしまった。

この構想の問題点は、事務の流れが整理されておらず、いざ大阪市が廃止され特別区になった場合の組織形態、ガバナンス、制度、権限、その他諸々のことが不明確なまま見切り発車だったという点だったと思うのだがあまり議論されなかった。橋下氏の性格なのか人の気持を理解せず、例えば大阪市立大学出身者の気持ちなど全く無視して、「大阪府立大学は存続し、大阪市立大学はなくなります」と平気で言ったりする。「文楽廃止」と言った時もそうだし、とにかく見切り発車で現場の気持ちを汲み取っていない。特に今回は大阪市職員や大阪市営交通のような大きな組織の人員をどう処遇するのかなど大事なことが全く決まっていないようにみえた。

また、基本的には新自由主義経済の傾向が強く、都構想の効果に当たる部分は「コストカット」と「民営化」でやっていこうという(大失敗だった)民主党がやっていた事業仕分けに近く、大阪経済を強くするというのには逆行しているように感じた。

なので反対多数になって正直ホッとした。

今回の住民投票は「改革しないのか」「このまま利権が蔓延っていいのか」という「改革にYesかNoか」の極端な選択肢になってしまったが、これは日本人の「白なのか黒なのか」、「左なのか右なのか」という極端な発想に陥ってしまうという問題点を露呈したと思う。

普通の感覚で「改革」にYesかNoかと聞かれると、ほとんどの人はYesというに決まっている。巨額の赤字を抱えた大阪市・大阪府をどうにかしなくてはいけないというのはみんなが思っていることだ。が、そのソリューションとして大阪都構想しかないのかというと実はそんなことはない、従来の組織形態でも十分対応可能なのだ。が、橋下氏はそのあたりのイメージ誘導がうまく大阪市を解体することにYesかNoかという投票だったのに、前者の「改革」にYesかNoかというイメージでとらえられたのが賛成が多かった理由だと思う。

もっとも反対派の中には本当に「改革しなくていい」と思っている御仁たちも含まれていて、特に自民党大阪府連が共産党や民主党と組んでしまったのには正直がっかりした。あれを見れば誰だってその反対の行動をしたくなる。

ましかし、今回の大阪都構想の住民投票でも見られた日本人の極端な行動様式は危険だなと思う。賛成派から見れば、反対派はまるで大阪のことを考えない現状維持の非大阪民みたいになってしまった。

戦前もエネルギーの補給路を遮断されてにっちもさっちもいかなくなったあげく、国民すべてが「開戦やむなし」の気持ちに振れてしまったのはこの日本人の「白か黒か」の極端な発想の賜物だと思う。反戦思想の人は当時は非国民扱いである。

日本人はポピュリズムに陥りやすく、なんだか危なっかしい。今回の大阪維新の会の動きは、漫画「20世紀少年」に書かれた「”ともだち”とその仲間」にそっくりに見えた。特に梅田のヨドバシカメラの前によく置かれていた宣伝車の大型ディスプレイで何度も表示された「府・市あわせて「ふしあわせ」のビデオ」が漫画にも出てくる洗脳ビデオに見えたのだ。
 
あなおそろし。今後、日本人はこのポピュリズムに陥りやすい気質に十分注意すべきだと思う。
白か黒かだけではなく灰色も赤色も青色もいろいろな色がこの世にはあるということを認識すべきだと思う。
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