「東京タワー」を今頃読んで…。

  • 2016.01.04 Monday
  • 11:04
JUGEMテーマ:読書

「そして父になる」や「海街Diary」でのリリー・フランキーさんの演技がとても自然体でああいう人になりたいなと思っていたら、年齢が一つ上なだけで驚いた。同世代なんだ。

小説というよりはほぼ自叙伝で、九州筑豊地方での子供時代、一人で大分の芸術高校に通っていたこと、武蔵野美術大学に入り、その後東京でアルバイト暮らしをしていたこと、そして現在に至るまでの間の母親との関係を綴っている。父親とは別居しており、小さい頃から母子家庭で育ち、最後の数年間は東京で母親と二人暮らしをしていたことを九州弁の会話が続く独特の文体で綴っている。

今やマルチタレントとして色々なメディアで活躍されているリリー・フランキーさんの生き様が手に取るようにわかる。

「家族」って何なんだろうと考えさせられる内容。僕自身もいろいろ悩みながら「家族」を維持しているが、将来のことまでは見通せない。子どもが成人すれば夫婦はどうなるんだろうか?と思うこともしばしばだ。

ところが、ここの「家族」はリリー・フランキーさんが4歳の時にすでに破綻していて、母子と父が別居生活に入る。その後住まいを転々としながらもオカンは一生懸命リリーさんを不自由なく生活をさせている。だが、母はずっと別居していたのに亡くなるまで離婚しなかった。「家族」は維持できなくても「親子」は続くのだ。

小説の中にいろいろな人が登場してくるが、オカンの料理を食べに集まってくるというのがなんだかほのぼのとしていい感じに思えた。結局同じ釜の飯を食うという関係、どうってことない話をしながら集まる仲間が人生においては大事なのかなと思ったりする。

昭和の時代は東京でもまだまだご近所の関係が残っていたが、ここ最近はとても希薄な関係、薄っぺらい関係に変わってきているような気がする。飲食店もチェーン店が増えて昔のような店主との会話がなくなってきている。コンビニが増えて昔ながらの八百屋や魚屋や駄菓子屋はめっきり減った。当然店頭での会話はなくなり、一日だれとも会話をせずとも過ごせるようになってしまった。引っ越しで隣近所に挨拶に行ってもお菓子などすら受け取らなくなってきているし、近所付き合いは子どもとの関係で維持出来るだけで、独身者や子どもの居ない場合は、ただ金を稼ぐための会社と自分の部屋の往復で人生が終わってしまいそうだ。子どもができたところで、子ども会の加入者は年々減少、自治会に至っては老人クラブと化しており、若い人がほとんどいない。僕達が本来過ごすべき居場所がなくなってきているのではないだろうか?
戦後は会社が家族的経営でそれを補完してきた。社員旅行や社内運動会、クラブ活動やさまざまな福利厚生。家族と会社が連結していたが、これがバブル崩壊で全部なくなり、地域社会を補完する場がなくなってしまった。「家族」がなくなってしまった原因はそういう大企業の動向にもあると思う。

だが、最近ベンチャー企業では社員旅行や社内イベントが復活してきているらしい。良い話だ。日本はもともと和の国。家族を中心として人と人とが繋がる社会であったはずだ。これらのベンチャー企業のように友達同士、家族同士が触れ合えるそういう場を創る企業を中心にこれからの日本が変わっていければなぁと思うのだ。
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