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【読書ノート】「日本再興戦略」を読んで

評価:
落合 陽一
幻冬舎
¥ 1,484
コメント:日本の歴史から教育、アート、政治、働き方から最新技術まで縦横無尽の知識で日本の再興戦略を語る、すごい人が出てきたものだ。

JUGEMテーマ:読書

 

最近、ネットメディアでよく見かける落合陽一氏。なんか昔よく似た名前の物書きの人がいたので、さてどんなおっさんかなと思ったら、なんと1987年生まれの若い人だった。筑波大学の准教授であり、大阪芸術大学の客員教授でもあり、メディアアーティストで、かつベンチャー企業の社長もやっている。ホリエモンとも友達みたいだし、なんかすごいなあと思う。(今調べたらよく似た名前の物書きはこの人のお父さんだった。落合信彦氏)

 

で、この本の内容だけれど、学者らしくものすごく多岐にわたる「知」が全面に出ており、少し松岡正剛に似たような感じ。「欧米とは何か」「日本とは何か」から始まり、歴史、宗教、最新テクノロジー、アート、政治、教育、会社、働き方、コミュニティーなどなど縦横無尽の知識をこれでもかと解説し(注釈がめちゃ丁寧)、それらをインテグレートして日本の再興戦略を考えるという内容。

 

特に気に入ったのが、これから重要になるのが「百姓的な生き方」だというところ。百姓っていうのは百の姓ってことで「諸々の生業を持つ者」ということなのらしい。そう言われてみると、江戸時代のお百姓さんはコメを作るだけでなく、畑も耕せば、草鞋や笠も作るし、裏山の木も切ってきて、それを加工したり、野菜を町に売りに行ったり、奥さんは縫い物もしたりと、かなり幅広い副業生活をしていたような気がする。

 

ところが現代人(特にホワイトカラー)は会社に一旦入社したあとは、その会社以外のことはとくにやらず、出世競争に明け暮れたあとは、特になんの技能も持たずに一日中ダラダラとしている感じで、なんだかワクワク感がない人が多い。電車で見かけるスーツ姿の人たちの冴えない顔を見るたびにこの国は大丈夫なんだろうかと思ってしまう。そんな会社を定年後、卒業したおじさんたちも更にやることがないのか、家の前の川沿いでは鯉を眺めて餌をやっている人たちのなんと多いことか…(おかげで川は鯉の異常繁殖中)。

 

と、偉そうにいう僕も、午前中1、2時間ほどで一日の仕事は実質終わってしまう。会議がなければIT関連の本を読んだりしている。かなりもったいない時間の使い方だと思う。4社くらい掛け持ちできる気がする。そういうこともあって、5、6年前からNPO法人の理事になったり、IT関連の研究会に複数所属したりしている。プロボノ的な働き方という感じだろうか。更にそれだけでは飽き足らず、今年からは社会人大学院に通うようになった。おかげで今までよりは着眼点がかなり変わったような気がする。がしかし、お金になるのがメインの会社1社だけなのでまだまだ物足りない。もっとなんかやりたいなと思う。

 

そもそも、就活という制度が良くないと思う。大半の日本人が大学を卒業して一斉に会社に入社というのはどうなんだろうかと思う。就活学生の画一的な服装や髪型を見ていると暗澹たる気分になってくる。アメリカなどでは有名な大学の学生ほど就職ではなく起業を選ぶようだ。もっと複線的な生き方があっていいのではと感じる。

 

今、学生だったなら、いわゆるイイ会社には入らずに複数の仕事の掛け持ちをしながら、起業を志すだろうなと思う。

 

社会人大学院に入ってみると同級生に結構中小企業の経営者が多かった。自分の裁量でいろいろなことができることに経営者の魅力を感じている。逆に言うと単なる一介のサラリーマンに過ぎない自分がとてもみっともない感じがするのだ。出世して役員になったところで自分の会社ではないのだ。リタイアしてしまえばただの人である。

 

今まで会社の中でいろんなシステムを自分で発案し、構築し、なんだか自分の作品と思ってきたものも多数あるが、実際にはそれらは会社のものであって、自分のものではない。部署が変われば手放さざるを得なくなってしまうものである。部署が異なると口出しできなくなってしまうという組織の弊害もある。会社って一体何なんだろうなと最近よく考える。

 

僕みたいに能力を出しきれてない人が世の中に多いのではと思う。それはその会社にとっても損失だし、日本全体ではその総和になるのでかなりの損失だと思う。複線で仕事をすること、能力をフルに出し切れる環境が整えば日本はもっと突出した国に生まれ変わるのではないかと思う。

 

そういった処方箋が書かれた本である。知の幅を広げる意味でもオススメの本でした。

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