ハートカクテル

ハートカクテル (1)
ハートカクテル (1)
わたせ せいぞう

僕の青春時代というのか、大学卒業から銀行に入社したころにこういう世界に憧れた。今から18年くらい前だ。大学2年のころからこのマンガの連載がモーニングで始まった。あまり読んだことのない雑誌だったけれど、時々このハートカクテルのために買って読んだりした。

入社しても、まだ給料は少なくしゃれた服も着れず、このマンガを見ては、いつかこんな感じの大人になるんだろうかなと夢見ていた。

しかし、そういう状況はなかなかやってこず、汚い独身寮の2人部屋でもんもんと過ごしていた。

そうこうしているうちにこの「ハートカクテル」がTVの番組になった。アニメというより紙芝居的な映像の短い番組だった。が、このバック音楽を三枝成章などの有名作曲家が担当。わたせせいぞうの絵に渋くマッチしていたため、短い番組だったにもかかわらず結構ヒットした。中でも「サリーの指定席」は圧巻で、この曲を打ち込みするためにシンセサイザーを購入したりしてDTMにのめり込んだ。

思い起こせばこの時期、ピアノも弾けるし当時の銀行員は給料も高かったので、もてるはずなのに、何故かもてなかった。

とにかく独身寮を出たかった。独身生活を謳歌するためには自分ひとりで住まなくちゃという思いが強かったのだけれど、当時は結婚するか30歳を過ぎるまでは退寮できなかった。で、結局結婚を選んでしまった。

だから、いまだにこの「ハートカクテル」の世界が懐かしく、ほろ苦く、胸が切なくなる感じがする。もう40歳だというのに。。。

なかなか達観できないよね。
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あなたは絶対!運がいい

愛蔵版 あなたは絶対!運がいい
愛蔵版 あなたは絶対!運がいい
浅見 帆帆子

著者の朝見さんはまだ20代なんですね。いっぱい著書があるし、本の内容は不惑の私が読んでもここまで至ってないわということばかり。

一時期プラス思考の考え方がもてはやされて、最近はトーンダウンしているけれど、プラス思考は絶対大切だと思う。この本に書かれているように理想がリアルになるように信念し、プラス思考で毎日すごせばかならず思い通りの自分になれるような気がする。

最後の章は「川の流れのように生きる」というテーマですが、なるほど…と思いました。ものごとをありのままに受け止めることは大切だと思います。確かに。水の流れは大きな岩があってもするりと横を抜けていくし、ムダなところに力をいれて、むりに岩をどけようとはしないですからね。
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小さいことにくよくよするな!(絵本版)

絵本 小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと
絵本 小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと
リチャード・カールソン, 小沢 瑞穂, 大石 暁規

小さいことにくよくよしたことがないので、あまり自分自身には関係ないといえば関係ないけれど、名言にそれぞれ英文がついているので、英語の勉強にもなるかなあと思って購入。

「人の話は最後まで聞こう。」とか「一年たてば、すべて過去」「毎日少なくとも一人、いいところをほめる」などなど、なかなか良い言葉が多く、しかも見開きで一つの言葉を解説しているので、毎日開いたところを読むことにしている。(トイレにおいてあるんです…)

「グラスはすでに壊れたとみなす」というのが今日見たページ。仏教の「無」の境地でしょうか?すべては壊れるものと思っていれば、壊れた時に悲しまなくてすむということですね。

要約すれば、日々の生活を思い煩わず、前向きに生きるべきと言うことですな。
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天国の五人

天国の五人
天国の五人
ミッチ・アルボム, 小田島 則子, 小田島 恒志

ひさしぶりに引きずり込まれるように読んだ小説。最後まで読みたくて午前3時まで読んでしまいました。

物語は遊園地の乗り物の整備担当をしている83歳の主人公エディが死ぬことから始まる。死後、人は自分の人生にまつわる5人の人に出会うというストーリーだ。

生きてる時は、毎日が単調でろくでもないと思っていたのに、死後、天国で出会う5人に会うたびに、自分がどのように生かされていたのかに気付くというストーリーだ。

〜「ムダな人生」なんてひとつもない〜という本の帯が示すように、僕たちの人生は何ものかによって生かされている存在なのだろう。ここにいるのが「必然」なのだ。必要だから生きている。何によって生かされているのかというのはこの本を読めばわかる。

「すべては予定されている」とも言えるのかもしれない。現世での成功不成功はあまり関係なく、「いかに生きたか」ということがもっとも大切なのだろうと思う。 

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モリー先生との火曜日

普及版 モリー先生との火曜日
普及版 モリー先生との火曜日
ミッチ・アルボム, 別宮 貞徳

いちど読んでみたいと思っていた本。普及版になって書店に平積みになっていたので思わず買ってしまった。

モリー先生との最期の数カ月、毎週火曜日に過ごし、人生について語り合った記録。

モリー先生がかかった病気はALSという病気でどんどん体が動かなくなってしまうというものだ。ハリ−ポッターの訳をしている松岡祐子さんのだんなさんがこの病気だったというのを何かの雑誌で読んだことがある。宇宙物理学者のホーキンス博士もそうだ。

死を前にして、人生や愛のことを話すモリー先生と今までお金重視の生活をしていた著者との会話がひとつひとつ心にしみる。

バブルの頃、高度消費生活とかいって、消費が良いことのように言われていた。こんなに不景気な日本なのに今でもブランド志向は変わっていない。「もの」「もの」「もの」だ。「物」至上主義が人の心を雑にしている。

死を前にして、ぼくらに本当に必要なのは物ではないことは確かだ。
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国民の教育

国民の教育
国民の教育
渡部 昇一

トットちゃんの通っていたトモエ学園のような小さいけれどもユニークな学校が戦後は設置できなくなって、公立の学校が画一的なおもしろみのない人間を大量生産してきた。そういえばどの学校も同じような作りをしている。直線的にいい学校いい大学を出ていい会社に行けばいいように教えられてきた。

戦前から戦争に突入にした日本を徹底的に悪者だと教え、愛国心を教えないまま、マスプロダクトに向いた平均的サラリーマンを養成してきたのだ。

右肩上がりの昭和時代まではそれでもよかったが、平成の世に入ってそのおかしな教育が徹底的に日本を劣化させている。コンビニの前で座っている高校生や電車の中での傍若無人な態度が物語っている。躾をせず、子どもの人権を尊重し、学校の中で教師がビンタをできなくなった成れの果てが今の状態だ。

いま、ボーイスカウトのリーダーをしているが、そういうところに入っている子どもでさえ、まともな挨拶もできなければ、じっと直立不動で国旗の前に立っていられない。ボーイスカウトは学校ではないので、どうしようもないやつには愛のムチをぶちかませられるが、学校ではままならないだろう。

とにかく戦前は家庭教育がよくできていたのかもしれない。くつをそろえることや、人に迷惑をかけないこと、人前でだらしないことをしないこと、うそをつかないこと、そういったことを徹底していたはずだ。食事の時にはお百姓さんに感謝し、仏壇に供え物をしては先祖に感謝する、悪いことをしたら神様から罰があたえられるといったそういうことを家庭の中でいいきかせてきたはずだ。

昔がいいと言っているわけではないが、戦後の日本は教育の大切なことをどこかに忘れてきたのかもしれない。この本では、そのあたりのことを詳しくわかりやすく書いている。

是非われわれ子どもを持つ親と政治家は読んでみるべきだ。
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亡国日本への怒りの直言

亡国日本への怒りの直言
亡国日本への怒りの直言
前野 徹

戦後教育のまっただ中で育った僕は戦前の日本は悪いことをしたとさんざん教わってきた。教師たちもあれでもかこれでもかと日本の戦争犯罪の証拠写真を見せた。ちょっと異常なくらい戦前の日本人が悪くて、戦争はダメということを叩き込まれた。原爆ですら、戦争をしかけたからこんなことになったという感じだ。

小学校ではイムジン河やアリランの歌を学び、5年生の時には「消えた国旗」という劇の主人公をした。ここは朝鮮の学校かと時々違和感を感じたが、純粋な小学生だった僕は別に深く考えもせず昭和初期の日本は悪いことをしたんだろうなあぐらいに感じていた。

小学校の修学旅行で広島に行ったのだが、ここの原爆慰霊碑にある「過ちはくりかえしませぬから」という言葉にはそれでもひっかかって、当時の担任に「これはアメリカが作ったんですか?文章が変だとおもうのだけれど?」と質問した記憶がある。僕以外にも3人ぐらいで「変だ変だ」と言ってた。そのときは「戦争をしないということだよ」と言われたと思うのだが、ずっと気になっていた。

小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」が出るまでは、本当に純粋に素直にだまされていた。僕らの年代のほとんどの人が東京裁判のA級戦犯が侵略戦争をはじめたと思っているだろう。そう教わったんだからどうしようもない。教育のおそろしさだ。

この本を読んで疑問に思ってきたすべてが理解できた。政治家が「南京虐殺はなかった」とか「侵略戦争ではない」とよく失言すると思っていたが、ある一定の年齢以上の人にとっては当たり前のことだったのだ。失言ではなく「正論」であって、それを攻撃する中国や韓国が間違っているのだ。政治家たちも正論を言ってもマスコミにたたかれるので言いたいことが言えないのだろう。

目がさめてない人も世の中に多いだろうが、是非若い人はこの本を読んで、歴史認識を新たにするべきだと思った。本当にいい本です。
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「生き方」

生き方―人間として一番大切なこと
生き方―人間として一番大切なこと
稲盛 和夫

ベストセラーになっているので読んでみた。

第4章は「利他の心で生きる」というテーマだが、この利他ということがとても大切だと思う。 稲盛さんは仏門に入られた人でもあるので、仏教的なことを書かれているが、本当に仏教で言うところの「慈悲」の精神は日本人特有の良き伝統と僕は思っている。

稲盛さんの本はたくさん読んでいるので、過去に読んだ話が多かった。どの話もなるほどと納得できたのだが、一点だけ違和感を感じたのは、「国家間の摩擦も単純に発想してみる」というところだ。南京虐殺問題等で中国ともめているのなら、謝ればいいじゃないか?としているところだ。考え方として迷惑をかけたら謝るというのはいいかもしれないが、その歴史的背景も考えずに、相手がごねたら謝れとするのはちょっといい加減すぎないかと思うのだ。

物事はシンプルに考えれればいいが、シンプルに考えて、まあ謝罪しとこうか、と歴代の首相が謝罪外交を続けたおかげで、今日本は独立国家としての地位が危うくなっているのだ。国家間の問題は男女の関係以上に複雑なのだと思う。簡単にはいかないよ。
と、僕は思うのだ。。。
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