希望格差社会
2005.02.07 Monday 22:51

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く
山田 昌弘
パラサイトシングルという言葉を造った著者の最新作。これほどまでに現代を的確に分析したものはないだろう。
現代を「リスク化」と「二極化」という言葉であらわしているが、著者の言うように、現代は戦後安定社会から不安定の時代に移っているのだ。職業の不安定、家族の不安定、教育の不安定という「不安」な時代が「希望を喪失」させてしまっているのだ。
経済学者がごちゃごちゃいろんな意見を言うが、この本がすべてを物語っているような気がする。
もやもやしていたものが非常にすっきりした。
特に「パイプライン・システム」と著者が呼ぶ学校制度がそのまま就職に直結していた時代から、現代は漏れが生じてフリーターやニートを産んでいるという理論は非常にすっきりする。
97年頃からおかしくなっていると指摘されているが、まさしくこのころから金利が異常に下がり、企業に成果主義が導入され、アルバイトや派遣という低賃金者を活用するようになってきている。このことが現代日本が荒れて無茶苦茶になっている原因なのだ。
サラリーマン必読ですね。