希望格差社会

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く
希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く
山田 昌弘

パラサイトシングルという言葉を造った著者の最新作。これほどまでに現代を的確に分析したものはないだろう。

現代を「リスク化」と「二極化」という言葉であらわしているが、著者の言うように、現代は戦後安定社会から不安定の時代に移っているのだ。職業の不安定、家族の不安定、教育の不安定という「不安」な時代が「希望を喪失」させてしまっているのだ。

経済学者がごちゃごちゃいろんな意見を言うが、この本がすべてを物語っているような気がする。

もやもやしていたものが非常にすっきりした。

特に「パイプライン・システム」と著者が呼ぶ学校制度がそのまま就職に直結していた時代から、現代は漏れが生じてフリーターやニートを産んでいるという理論は非常にすっきりする。

97年頃からおかしくなっていると指摘されているが、まさしくこのころから金利が異常に下がり、企業に成果主義が導入され、アルバイトや派遣という低賃金者を活用するようになってきている。このことが現代日本が荒れて無茶苦茶になっている原因なのだ。

サラリーマン必読ですね。

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小さいことにくよくよするな!(絵本版)

絵本 小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと
絵本 小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと
リチャード・カールソン, 小沢 瑞穂, 大石 暁規

小さいことにくよくよしたことがないので、あまり自分自身には関係ないといえば関係ないけれど、名言にそれぞれ英文がついているので、英語の勉強にもなるかなあと思って購入。

「人の話は最後まで聞こう。」とか「一年たてば、すべて過去」「毎日少なくとも一人、いいところをほめる」などなど、なかなか良い言葉が多く、しかも見開きで一つの言葉を解説しているので、毎日開いたところを読むことにしている。(トイレにおいてあるんです…)

「グラスはすでに壊れたとみなす」というのが今日見たページ。仏教の「無」の境地でしょうか?すべては壊れるものと思っていれば、壊れた時に悲しまなくてすむということですね。

要約すれば、日々の生活を思い煩わず、前向きに生きるべきと言うことですな。
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天国の五人

天国の五人
天国の五人
ミッチ・アルボム, 小田島 則子, 小田島 恒志

ひさしぶりに引きずり込まれるように読んだ小説。最後まで読みたくて午前3時まで読んでしまいました。

物語は遊園地の乗り物の整備担当をしている83歳の主人公エディが死ぬことから始まる。死後、人は自分の人生にまつわる5人の人に出会うというストーリーだ。

生きてる時は、毎日が単調でろくでもないと思っていたのに、死後、天国で出会う5人に会うたびに、自分がどのように生かされていたのかに気付くというストーリーだ。

〜「ムダな人生」なんてひとつもない〜という本の帯が示すように、僕たちの人生は何ものかによって生かされている存在なのだろう。ここにいるのが「必然」なのだ。必要だから生きている。何によって生かされているのかというのはこの本を読めばわかる。

「すべては予定されている」とも言えるのかもしれない。現世での成功不成功はあまり関係なく、「いかに生きたか」ということがもっとも大切なのだろうと思う。 

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モリー先生との火曜日

普及版 モリー先生との火曜日
普及版 モリー先生との火曜日
ミッチ・アルボム, 別宮 貞徳

いちど読んでみたいと思っていた本。普及版になって書店に平積みになっていたので思わず買ってしまった。

モリー先生との最期の数カ月、毎週火曜日に過ごし、人生について語り合った記録。

モリー先生がかかった病気はALSという病気でどんどん体が動かなくなってしまうというものだ。ハリ−ポッターの訳をしている松岡祐子さんのだんなさんがこの病気だったというのを何かの雑誌で読んだことがある。宇宙物理学者のホーキンス博士もそうだ。

死を前にして、人生や愛のことを話すモリー先生と今までお金重視の生活をしていた著者との会話がひとつひとつ心にしみる。

バブルの頃、高度消費生活とかいって、消費が良いことのように言われていた。こんなに不景気な日本なのに今でもブランド志向は変わっていない。「もの」「もの」「もの」だ。「物」至上主義が人の心を雑にしている。

死を前にして、ぼくらに本当に必要なのは物ではないことは確かだ。
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「よのなか」入門

「よのなか」入門
「よのなか」入門
藤原 和博

元リクルートのスーパーサラリーマンの著者は今中学校の校長をしているらしい。昔「処生術」という本を書かれていて、サラリーマンでもここまでできるんだと感心したものだが、知らない間に転身されていて、今は「よのなか教科書」シリーズで有名な人になっている。「処生術」の本の帯にもテリー伊藤氏が「この本は学校の教科書にしたい」と書いてたくらいなので、もともとそういう運命にあったのかもしれない。

この本の中で、これからの日本で必要なのは「住宅の居住性」「医療・介護のケアレベル」「教育の選択権」「組織の壁を越えた、コミュニティーを含む個人と個人の豊かなつながり」の4つだとしている。確かに、今の「よのなか」で欠けているものはこの4つだろう。

先進国といわれながら、貧弱な居住環境、年々高騰する教育・医療費、古きよきコミュニティが崩壊した地域生活、特に税金がじわじわと高騰し、給料の低下が拍車をかけて日本は劣化してきている。大人モデルが足りないと著者は言っているが、見るからにバカな子ども達が増えてきているのは、子どものせいではなくて、大人のせいなのかもしれない。



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