経済成長に消費税増税は逆効果



日本ではバブル崩壊後しばらくして1995年頃からを境目に低成長が続き「20年不況」と言われているが、一人あたりGDPを見てみると意外なことに堅調に推移している。グラフの動きは欧米諸国と特に変わらず、中韓とは大きく異なって、やはり先進国セクターに入っていることがわかる。

がしかし、実感として、これほどの経済成長の恩恵を受けている気がしない。

一つの原因として考えられるのは1997年に導入した消費税率5%への引き上げである。2%の増税だけの話だが、成長率が2%もないのでこれが実質のデフレ要因になっている。実際には庶民の懐にはいるべき2%の給与増加が毎年その分消費税に相殺され続けているため、一向に上昇に転じないのである。

消費税増税の社会への影響は大きく、増税の翌年から自殺者がぐんと跳ね上がり年間3万人を超えるようになってしまった。
自殺者推移

で、実際税収はどのように推移しているのかを見てみると下記の通りである。

(財務省:主要税目の税収(一般会計分)推移)


(財務省:一般会計税収の推移)

なんのことはない、総額としては消費税増税後、減少してしまっている。消費税を増税した平成9年以降消費税収入は確かに4兆円ほど増加しているが、所得税は19兆円から最近では13兆円まで6兆円減少し、法人税に至っては14.5兆円から9.4兆円まで5兆円減少している。平成9年を最後に53兆円を超えることは一度もなく、鳩山首相の頃は3割減の38.7兆円まで減少してしまっている。

バブル前で所得税収が18兆円程度だったことを思えば、少なくとも所得税を18兆円までに増加させたい。それは難しい話ではなく、バブル崩壊後の平成8年レベルに戻すだけのことだ。つまり消費税増税前の消費税率3%に戻すということだ。それを真逆の8%にするからにはそれ相応な所得増加がセットになっていなければならない。

現時点では、来年度の予算を50兆10億円と予想に対して大きく積み増ししている(所得税14兆7900億円、消費税15兆3390億円)が、そのためにはそれ相応の所得増加が発生しなければ達成不可能である。少なくともベースアップとして増税分3%+インフレ分2%の計5%の上昇(給料30万円の人で1万5千円のベースアップ)が絶対に必要だ。だが、春闘のベースアップとして聞こえてくるのは3千円とか4千円で、4千円は高いという話だ。これでは絶対に前回の消費税増税と同じ轍を踏んでしまいそうである。単純に考えても今回は賃金の5%上昇が必要で、来年以降もインフレ率以上の賃金上昇(2%)が必要なはずだ。

でなければ、庶民の財布の口は固くなり消費税税収が減少し、経済が回らないことで所得税税収も減少するハメになる。その辺りの舵取りがもうすでに春闘のベースアップ率を見ても失敗している。

あと、以前からこのブログでも何回も書いているが、現在の「成果主義」の会社では先行きの収入の安定に対する不安(賃金が下がるかもしれないという不安)があるため、大きな買い物(家、自動車など)を控える傾向にある。この日本企業に蔓延している「成果主義」を排除し、賃金の引き下げは会社が安定している間は絶対にしないと各企業の経営者に宣言してもらわないと、オチオチ買い物もできない。

そういった準備が出来ていないのに、3%の増税である。よほどの景気回復がなければ1年後は低成長に逆戻りである。

各企業の経営者は営業利益の内部留保を拡大するのではなく、ベースアップ5%以上を従業員に支払わなければ、このアベノミクスによる景気拡大も元の木阿弥であろう。

まあ何度考えても、この消費税増税は早まったなと思う次第である。
 
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グローバル化では日本は発展しない

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このところ、日本企業の中では「グローバル化」というキーワードが蔓延して、社内英語公用語化などを自慢する企業なども出てきている。が、ホントに「グローバル化」が大切なのだろうか?

GDPはご存知のように国内総生産であって、海外での生産は海外のその国のGDPを増やすだけだ。日本のメーカーが一生懸命海外に工場を作って、技術移転したところで、その国のためにはなるが、我が国にとってみれば雇用が減少し、ますます日本のGDPは減少していくだけである。

日本があっての世界であって、そこを本末転倒に「グローバル化」はありえないのではないだろうか?日本が戦後こんなにも成長したのは、海外にないような斬新な発想の製品、壊れにくく、アフターケアもしっかりした製品を「国内」で作れたからだろう。そういう製品を海外に出したところ売れたという流れだ。先ず「グローバル化」が有るわけではない。あくまで「国内」で改善・工夫をこらしたものが、海外で受け入れられたということだ。

日本のあちこちで企業の工場の城下町で知られた町が、突然の工場閉鎖で行き場を失っている。町は寂れ、賑わっていた飲食店もスーパーもホテルもすべて潰れてしまい町から人がいなくなってしまっている。こんなことが一企業の決定だけで済む話なのだろうか?城下町をつくったのなら、最後まで面倒を見るのが日本人だったのではないのだろうか?

そういった日本人の知恵を絞った「ものづくり」の拠点が減れば減るほど世の中にはモジュール化されたおもしろみのない製品ばかりになってしまう。一方の敗戦国ドイツはいまだに国内で優秀な製品を作り続けている。日本もドイツに負けず劣らずの「ものづくり」国家だったはずなのに、なぜこんなことになってしまったのだろうか?隣国がお得意の安い製品を作るのではなく、日本は高付加価値の高い製品をつくる国として世界をリードしなくてはいけなかったのではないのか?

グローバルに強い経営学を学んだ優等生がメーカーの社長になったりしている。しかし、経営学を勉強したところでものは作れない。ものづくりは手でヤスリを掛けたり、旋盤を回したり、そういうことでしか生まれない。その基礎の基礎の過程をすっ飛ばして、ものづくりなど出来るはずがない。システム開発でも同じで、泥臭いプログラムを書いたことのない人が良いシステムを作れる訳はないのだ。

うなされたように「グローバル化」に邁進中の日本だが、そんなことより国内においてもっとすることがあるのではないか?と思う。「グローバル化」した大企業に限って、海外での利益を内部留保し、国内にお金を落とさない。経済は「お金のキャッチボール」なので、国内のマーケットの中でお金のやりとりをしないと経済は回らない。いい製品を作って買ってもらうという流れ。そういうことが大事なのではないだろうか?

解雇され行き場を失った人を救うために生活保護の制度を充実させる社会が良いとはとても思えない。税収が減っているのに生活保護など福祉を重視していてはどんどん財政が悪化してしまう。日本の企業は解雇をするのではなく、働く場をあらゆる人に提供し、雇用を増やし、日本人がDNAで持っている改善の知恵を製品に活かしていかなくてはいけない。海外に出ることなどやめて、国内に十分に出ていき、余力を海外に向ければいいだけだ。はなから「グローバル化」する必要がどこにあるのだろうか?

日本は戦後、朝日新聞や日教組をはじめとしたリベラル左翼に牛耳られてしまい、反日活動花盛りだが、そんな自虐的運動に傾倒することはやめて、「日本は良い国だ」という自信を持って、日本という国を誰もが羨むようなすごい国にもう一度変革するべきなのではないだろうか?

僕らが子供の頃は先生から「日本は非常にすぐれた製品、壊れにくい製品をつくるので海外で売れる」と教わり、子供心にも誇らしく感じたものだった。GNPが世界2位になった時には、大人になったら頑張って日本のために働こうと思ったものだ。

今の子供達のように、ニュースを見れば隣国から何十年も前のことで難癖をつけられ、告げ口をされ、先生からは「日本は悪い国だった」と教えられ、家に帰れば給料が上がらないと愚痴る親がいて、今年も自殺者が3万人だとか報道されて、どうしてこの国のために将来働こうと思うだろうか?

とにかく、自虐的な歴史感から脱却し、「日本のために頑張ろう」と思える国にしなければならない。「グローバル化」などその先の話だ。まずは愛国精神の観点を持って、日本の国力を大きく成長させ、国内の失業率を軽減し、日本式の優れた製品をつくり、「おもてなし」のこもったサービスを向上させ、異常なエネルギーの海外依存から脱却し、農産物の国内自給率も上げ、国内だけでやっていける力をもった上で、その成功モデルを海外で展開するという流れでないといけない。

「グローバル化」することがダメというわけではない。そこに「逃避」するのはやめるべきだということだ。劣化した日本を日本人が置き去りにして、海外で利益をあげたところで話にならない。日本という国があっての「グローバル化」であって、「グローバル化」ありきの今の流れはどこかで断ち切らなければいけないと思う。
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2014年 今年の干支は甲午(こうご、きのえうま)

今年の干支は甲午(こうご、きのえうま)という干支である。
十干十二支は甲子(こうし、きのえね)から始まり60年で一巡するのだが、甲午は31番目の年、60年の前半から後半へと陰陽反転する重要な年ということになっているそうだ。

安岡正篤の「干支の活学」によれば、
「「甲」はよろいで、鱗ーよろいをつけた草木の芽が、その殻を破って頭を少し出したという象形文字で、…旧体制が敗れて、革新の動きが始まるということを意味しておる。…この自然の機運に応じて、よろしく旧来のしきたりや陋習を破って、革新の歩を進めねばならぬということになるわけであります。」

「「午」は上のノ一の部分が地表を表しておる。十の一は陽気で|は陰気が下から突き上げてまさに地表に出ようとする象形文字であります。だから「午は忤なり」で「そむく」、「さからう」という意味になるわけです」
という解説になっている。なお「午」は杵を意味するとも言われ杵を上下につくことで硬い米がつきならされるという状態をあらわすとも言われている。

ということで「甲午」という文字が表す意味を考えると、前年までに胎動してきた革新への動きが、この年にはその殻を破って大きく出現する年であるが、その変化の動きに反対する勢力も内側から突き上げてくる年になり、その陰の勢力の対処法次第では混乱の幕開けにもなるが、上手くかみあえば、従来にない大変新しい時代のスタートとなる年にもなるということかと思われます。

十干は10年毎に時代が変革するということですが、甲午の年は、前年30年の陰を陽に反転するという非常に大きな時代変革の年でもあるということで、従来の延長線上で考えられるような改革では太刀打ち出来ないのではないかと思っております。

前回1954年は自民党の前身の一つある日本民主党がが結党し、この年から経済の著しい成長が始まった年でもあります。

昨年、自民党政権が低迷していた日本経済に楔を打ち込み、大きく反転させましたが、今年は経済だけでなく、あらゆる面で日本の復活の幕開けになる年であればと願います。
 
評価:
安岡 正篤
プレジデント社
コメント:勉強になります。

社会論 | comments(0) | trackbacks(0)

ロンドン便り

ロンドンに来て初日の打ち合わせが終了。仕事そのものは順調だが、相変わらず英語のリスニング力がついてきていない。

ここ最近は「スピードラーニング」を毎朝聞きながら出勤し、アルクの「KIKUZO」っていうのもはじめた。英語の本ばかり買ってるがなかなかまだまだだ。やっぱり咄嗟の質問には答えられない。

まあ、難聴で聴力が弱いというのもあるが、日本語はほぼ聞こえるのであんまり言い訳にもならない。

こうやって海外出張を続けてるので、はたから見るとカッコイイのだが、英語がで出来ないと全然かっこ良くないのである。

ストレスでビールの量も増えてしまい、スタイルもかっこ悪くなってきたし…。

娘には是非とも英語力だけはつけて欲しいと思う。大学なんぞはどこでも良くて、一芸に秀でてて、英語力がある人がこれからは大事なんじゃなあかと思うんだよね。

ま、もちろん、僕自身も50の手習いということで、半年後には見違えるほどの英語力を発揮できるように頑張ろうと思います。

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「大阪都構想」と企業変革プロセス

堺市長選で現職が、大阪維新の会推薦の候補を破り再選した。この選挙は「大阪都構想」の是非を巡る選挙でもあったので、ここで維新の会が負けたということは「大阪都構想」そのものの見直しが必要になったとも言えるのではないだろうか。

「大阪都構想」で橋下さんは一体何をしたいのか。この部分がよく見えなかった。これが敗因だと思う。二重行政の解消は今の大阪府と大阪市の関係のままでも解決可能だ。それをわざわざ都にしなければいけない理由がイマイチ市民にはわからない。しかも、伝統のある自治都市「堺」を潰してまでやらなければいけないことなのかというのが、さっぱり見えなかった。

この事例からあきらかなように、あらゆるプロジェクトはそれを成功させることによって「何がどう変わるのか」、それは「当事者をワクワクさせるものなのか」、「熱意を持ち続けるに足る「理念」があるのかどうか」といったことが大切だと思う。

プロジェクトの最初に未来像をしっかりと描き、プロジェクト成功のプロセスとしてどうやるのが最も良いのか、その重要なプロセスを踏まないとあとでとんでもない落とし穴に嵌り込む。

変革プロジェクトの推進方法として「ジョン・コッターの8つの企業変革プロセス」(下記参照)が有名だ。このブログでも何回か紹介したが、このフレームワークを使うと今回の「大阪都構想」の状況がよくわかる。

「大阪都構想」が頓挫しそうな理由は「ジョン・コッターの8つの企業変革プロセス」のうち3番目の「適切なビジョンをつくる」部分での不徹底が原因なのではないだろうか?ここで「心躍るビジョンを掲げる」ということが必要なのだが、「大阪都」というものがみんなのココロに「心躍るビジョン」としてどうも腹に落ちてないというのが原因だと思う。

橋下さんの「変革が必要だ!」という旗のもと、「そうだ必要だ!」と思い込んで、流されてここまで来たものの、ふと我に返ると、本当に「大阪都」が必要なのかということが関係者の間でしっかりと根付いていない。つまり、変革プロセスの第4段階の「変革のビジョンを周知徹底する」までに至っていない。われわれ大阪府民にとってもさっぱり「大阪都」の良さがわからない。つまり「心の底から支持される」内容になっていないということだ。

当然第5段階にも第6段階にも到達していない。第6段階の「短期的な成果」として賞賛されるはずだった民間人校長や民間人区長はあろうことか不祥事の連発で、今後、大阪都になったあとの区長公選制に大いなる不安を感じさせる結果となっている。

結局、それもこれも最初の「心躍るビジョン」がしっかりと共有されていないというのが問題で、もう、はっきり言ってこの「大阪都構想」プロジェクトは失敗プロジェクトになっている。それでもゴリ押ししてやろうというのなら、橋下さんは裸の王様、もしくは独裁者になってしまうことだろう。本当に必要な改革なのであれば、今一度第3段階に戻って「心躍るビジョン」かどうかの再考を行う必要があると思う。

【ジョン・コッターの8つの企業変革プロセス】
  1. 危機意識を高める … 危機意識を高め、問題に対して「何とかしなければ」という話し合いがはじまるようにする。変革を最初からつまずかせる現状不満や不安、怒りを抑える。
  2. 変革推進チームをつくる … 変革を主導できるだけの適性と権限を備えた適切な人材を集める。互いが信頼し合い、結束して行動できるようにする。
  3. 適切なビジョンをつくる … 分析と財務を柱とする計画の立案や予算の策定を行う動きを促す。変革を主導するような「心躍るビジョン」を掲げる。大胆なビジョンを実現するため、変革推進チームが大胆な戦略を描けるようにする。
  4. 変革のビジョンを周知徹底する … 変革によって何を目指すのか、明確で確信が持て、しかも「心に響くメッセージ」を伝える。心の底から支持されるようにすれば、それが行動に反映される。言葉で示し、行動で示し、新しい情報技術を活用するなどして、コミュニケーションのチャネルを整理し、混乱や不信を取り除く。
  5. 従業員の自発的な行動を促す … ビジョンや戦略に心から賛同する人たちの障害になっているものを取り除く。組織の障害とともに心の障害が取り除かれれば、行動が変化する。
  6. 短期的な成果を生む … 短期間で成果を上げて、皮肉や悲観論、懐疑的な見方を封じ込める。これで変革に勢いがつく。目に見える成果、明確な成果、心に訴える成果を生むように心がける。
  7. さらに変革を進める … ビジョンが実現するまで変革の波を次々と起こす。危機意識の低下を容認しない。心の壁など変化の難しい部分を避けてはならない。不要な仕事を削り、変革の途上で燃え尽きるのを防ぐ。
  8. 変革を根付かせる … 行動を企業文化に根付かせることによって、伝統の力で過去に引き戻されるのを防ぎ、新たなやり方を続ける。研修や昇進人事、感情の力を利用して、集団の規範や価値観を強化する。

評価:
ジョン・P・コッター,ホルガー・ラスゲバー
ダイヤモンド社
コメント:企業変革のプロセスを一つの寓話で学べる本

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半沢直樹と銀行の人事の世界

半沢直樹がものすごい視聴率だ。前回の携帯電話を取り出して、「これが証拠です」と黒崎検査官に見せるシーンは思わず水戸黄門の印籠と重なり、正義が悪を懲らしめる感じで、日本人の心の琴線に触れるのではないかと思った。それにしても堺雅人の演技力はスゴイなぁ…。

…と、テレビドラマの解説を今日は書くつもりはなく、そこに見え隠れする銀行の人事のあり方について書きたいと思う。

先日の投稿でも書いたが、とにかく銀行は人事に異常なこだわりを持つ会社で、人事部が大きな権限を持っていた。

先週の半沢直樹のラストで大和田常務が「君の人事の話だよ…」と言って、近藤の動きを封じていたが、あれくらいこだわりが強い。

僕は子供の頃からそういう「誰それがどうのこうの」という情報に疎くて、噂話みたいなのに参加したことがなかった。(耳が少し遠いのでコソコソと話をされても聞こえないというのもあるが、「我が道を行く」のはもう一生変わらないことだろう…。)なので、クラスでイジメが起きていても、自分だけ知らないことが多く、特段意識もせずにイジメられてる子と遊んだりしていていた。その子たちに感謝されてたことを20年も経った同窓会で知らされたりした。

ましかし、クラスのほとんどの子が知ってることでも知らないことが多く、「どこでそんな話聞いたん?」という問いかけを小、中、高校、大学と何回したことか…。

という感じなので、そういう人事の件ではいろいろ困ったことが多かった。人事の話をしてる時に、相手の言ってる意図がわからないのだ。

銀行員の特徴として、はっきり言わずに腹で探るような話し方をする人が多く、そんなのは全く僕にはわからなかった。主語がよくわからないのだ。それなのに、上の人に「わかったな。」とか念を押される。「いいえ、全然わかりません。」とは言えない雰囲気なのでとにかく大変だった。

銀行の場合、人事発令は毎月末にあり、翌月初には異動になる。

3月と9月末は昇格があり、その人事も誰がトップ昇格かといった噂で持ちきりになったりする。入行7年目くらいで、「代理」(支店長代理とか部長代理を省略してこう呼ぶ)の昇格で最初の選別がなされる。

僕はそのすこし前に実施されていた労務試験や人事の面談に呼ばれなかった。同期の半分以上が呼ばれてたらしいが、そういうのがあることも知らなかった。

僕は間違ったことを言う上司には徹底反抗するなど自分の好きなように仕事をしていたので、まあ呼ばれなかったのは仕方がないが、それにしても一生懸命仕事をしている人をマイナス評価するなんてどんな会社なんだろう?とも思った。

銀行はとにかく減点主義なので、マイナス評価があるとダメになる。一度☓(ばってん)がつくと、もう逆転は難しくなる。これは半沢直樹の小説の中にも何度か出てくる。ドラマの今回の近藤のように1年休職して出向している社員が本店に役職者として戻ることは難しいのだ。先週のドラマを見て「なんで近藤は裏切るんだろう?」と思った視聴者がいるかもしれないが、銀行ではそういう逆転がありえないという前提知識がないとわからないシーンだと思う。なので、悪いやつに徹底反抗する半沢直樹の行動は理想的ではあるけど、銀行員としてはなかなか勇気のいる行動だと思う。

しかし、まあそうやってマイナス評価を恐れ続けてどうするんだとも思った。あの頃からどうも銀行には違和感を感じていた。30歳の頃だ。

その最初の昇格がダメになるだろうことがわかって、お金を貯めるために会社の借り上げ社宅に入ろうと無理に真冬に引っ越したのが失敗だった。引っ越し直後に子供が重度の細菌性髄膜炎になり、生死をさまようことになってしまったのだ。

1ヶ月半カミさんと交替で病院に寝泊まりしながら会社に通勤していた。そんな矢先に上司から呼び出しをくらって、わざわざ昇格がダメだったことを通知し、しかも自分が評価したのではないような言い訳をするくだらない場があった。子どもが死にそうな時に昇格がどうのこうのと、わざわざ呼び出していうか?と思った。そのときに銀行とその銀行員に心底失望した。

そのことをきっかけに銀行は一生勤めるところではないなと確信した。「人の命よりも会社の人事の方が重いと感じている人たちばかりがいるところ」でなぜ働く必要があるのだろう。それでその後は、(カミさんから大阪に戻りたいという希望もあり、)そういう昇格とかにあまり関係のない大阪のシステム部への転勤の希望を出した。

その後、半年後にようやく大阪転勤が決まるが、髄膜炎の後遺症で全く耳が聞こえなくなって、その頃は立つこともできなくなった長男のリハビリ施設として、「帝京大学医学部の田中美郷教授のスクール」や「母と子の教室」などの聴覚口話法を主体としているところを走り回って、ようやく千葉市川市にある「筑波大学附属聾学校」の幼児教室に落ち着いたところだったので東京勤務の方がその時には良くなっていたのだが、人命よりも人事を重視する東京で僕自身が働きたくなくて、家族に無理を言って大阪に戻った。半年後みんなより遅れて昇格した。

大阪に転勤後は仕事はよくやったと思う。が、一度☓(ばってん)がついているため、なかなかその後も昇格しないままだった。まあ仕事ができれば良かったのであまり個人的には気にせず楽しく仕事をしていた。

が、その後、銀行合併時のシステムトラブルがあり、わざわざ避けていた東京転勤を突然言い渡されたので、それをきっかけに銀行を辞めることを決意した。その異動は全く人の意見を聞かずに決められた。障害の子を抱えて困っている事情など何一つ聞かれなかった。銀行員には人間の心が通っていないのだろう。

辞める決意をした後の話として、大阪の某部署でイジメられた話を先日書いたが、本当にうんざりするような次長とその取り巻きだった。

銀行は優秀な人も非常に多いが、こういうおかしな人事制度の元では途中で人間もおかしくなっていくのだろう…。

僕がこのブログで何度か人事制度批判をしているのはこういう事情があってのことだ。実際に現場を体験し、こういう人事制度がこれ以上日本に広まらないことを世の中に訴えねばと思っているのである。

やっぱり会社は「人」があってはじめて成り立つもの。会社の中で働く「人」を大事にしない会社はこれからの日本には存在してはいけないのだと思うのだ。

評価:
池井戸 潤
文藝春秋
コメント:ドラマ半沢直樹の後半部分の原作。僕も昔ホテル再建に絡んだことがあり、ぐっと来ます。

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今年の出張は記録的

今年の出張記録をちょっと整理。無茶苦茶だ。

1月14日〜15日 フィリピン
  16日〜17日 マレーシア
  18日〜19日 ベトナム
  21日〜22日 東京(浜松町)
  25日〜26日 東京(市ヶ谷)
  28日〜29日 東京(六本木)
2月 2日〜11日 アメリカ(ニュージャージー)
  12日〜13日 東京(浜松町)
3月 1日〜 3日 名古屋
  14日     埼玉(大宮)
  28日〜29日 東京(浜松町)
  31日〜 2日 アメリカ(ニュージャージー)
4月 3日〜 8日 ブラジル(サンパウロ)
   9日〜13日 タイ(バンコク、チェンマイ)
  17日     東京(表参道)
  22日〜24日 フィリピン(マニラ)
5月 5日〜12日 アメリカ(ニュージャージー、ケンタッキー)
  15日〜 6日 東京(市ヶ谷)
  21日〜23日 東京(表参道)
6月 9日〜11日 東京(浜松町)
  19日〜20日 東京(表参道)
  26日〜28日 アメリカ(ケンタッキー)
  29日〜 2日 アメリカ(ニュージャージー)
7月 3日〜 5日 イギリス(ロンドン)
   6日〜 9日 インドネシア(ジャカルタ)
  10日〜13日 インド(デリー)
  26日〜27日 千葉(習志野市)
8月 2日     東京(市ヶ谷)
9月13日     東京(品川)
9月17日〜27日 アメリカ(ニュージャージー)

ここ最近は、ようやく海外出張が落ち着いてきたと思ってたのだが、またまた来月から怒涛の海外出張予定であります。なんか出張絵日記とか書けるようになりたいな…。

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消費税増税の時期に来ていない

GDPの実質成長率が3.8%になったということで、来年4月からの消費税増税に現実味が出てきた。がしかし、今はまだ増税の時期に来ていないと僕は思うのだ。

一つはGDPの成長率分だけ各個人一人ひとりの所得が上昇していないからだ。新聞には「実感がわかない」という世論調査を掲載しているが、実感でなく、実際に給料はまだ上がってない。3.8%も上がるということは給料が月額30万円の人の今年の昇給が11,400円なければならない。そんなにみんながみんな上がってないのだ。(ちなみに僕など去年より2万円も下がっている。)

しかし、昔「GDP」と「国民所得」と「民間支出+政府支出」は三面等価の関係にあると習ったので、当然GDPの成長率に比例して所得も増加しなければおかしい。 が所得は分解すると労働者賃金+営業余剰+その他に分解される。つまり営業余剰=「企業の内部留保」が増えているだけで今はまだ所得にまで回ってきてないのだ。

なので、この時期に早くも消費税を今より3%も上げるというのには賛成できない。

あと、消費税増税が実際の税収増につながるかどうかを過去の事例で確認したいのだが、平成9年に実施した消費税3%から5%への増税後どのような税収の推移になったのかをグラフで見てみたい。

下記のグラフは一般会計の税収の推移だが、消費税額の寄与分は4兆円程度と考えられるが、平成9年以降はほとんどその効果を得られず、一度も平成9年を上回っていない。増税翌年は4兆円上がるどころか逆に4.5兆円下がっている。この年から自殺者が急増し年間3万人を超えるようになったのだ。

 (財務省 一般会計税収の推移より)

という具合なので、消費税増税=歳入増とは言えないどころか、どんどん歳入減になっていくという過去の事例なのだ。

今、アベノミクスで実質GDPが3.8%も上昇しているのなら、それだけで法人税や所得税の増額が見込められる。実質赤字で一銭も法人税を払っていない大企業も多かったが、今後はそういうこともなくなり、飛躍的な歳入増が予想されるのではないだろうか?

で、あればいまさら消費意欲を減退させるような消費税増税を今やる必要は全くないと思えるのだ。

それよりもそもそもこの国がやらなければいけない問題は多い。

先ほどの投稿でも述べたが、そもそも企業経営における「終身雇用」の崩壊や「年金システム」の崩壊で、国民の未来への安心感がなくなっていることが、消費意欲を減退させ、この国がデフレスパイラルから抜けられぬ原因になっている。この根本原因をまず解決する必要がある。経済成長が持続的に続き、その恩恵が国民一人ひとりに還元され、将来への不安が払拭されて、はじめて消費税増税が言えるのではないだろうか?

アベノミクスは今のところ、非常に効果がでているし、オリンピックに向けてこれから投資も増えていく。この経済成長の腰を折るような消費税増税は即刻中止してほしいと思うのだ。

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