仕事のコツ(1)「仕事を握らない」

銀行時代にはいろいろ失敗しながら仕事のやり方を学んだ。

入行して、最初は営業店の事務からはじまったのだが、入社したての新人のころは右も左もわからない。とにかく電話がなったら「1回以上コールさせずにとれ!」と、これだけを教えられた。

電話をとったところで、誰だかわからない人が何かをしゃべっている。ほとんどがクレームなので、ろくなことはない。電話をとるのは新人の仕事とばかり誰も取ろうとしない。「営業の誰某を呼んでくれ」という電話が大半だった。いいかげんな対応をしていると余計相手がイライラするので、とにかく落ち着いて対応することを心掛けた。内心「えらいところに配属されたものだ。」と思ったものだ。

当時は携帯電話などなく、ポケベルなので、営業の人に連絡してもリターンが遅い。そのうちまた同じ人から電話がかかって来たりする。「どないなってんねん」「また、あんたか、はよ、連絡せんか!」とこちらが怒られたりする。銀行営業(「外交」というのだが)を志して入社しているので、将来何をしたらいいのか不安になった時期だった。

電話ばかりとっていたのだが、肝心の仕事はあまり丁寧には教えてくれない。融資に配属されたのだが、融資のなんぞやがさっぱりわからないまま、3ヶ月後にはローンの窓口業務をやらされた。

とはいえ、いきなり営業店の窓口にローンを借りにくる人は、あまり普通の人ではない。家を買うときには、業者からの紹介でローンを組むのでいきなり窓口に来ることはない。他の金融機関の返済のためにお金を借りようとしている人か、当時はサラ金が問題になっていた時代なので、そのかわりにカードローンを借りようという人が大半だった。今はローンの借り換えが普通なのでそういうお客さんもいるが当時は借り換えなどというのはほとんど知られていなかった。

で、なるべく店頭でチェックして、「審査が厳しいので無理です。」とお断りすることが多いのだが、カードローンは日増しに増加してきていた。事務処理はなかなか面倒で先輩たちもあまり教えてくれなかったので、「あとで聞こう」と日々ためていってしまった。これが入社早々の大失敗につながるのだ。

1週間くらい処理をためると、「そろそろ審査がおりましたか?」という問い合わせ電話がかかってくる。そこで、「ああ、そうだやるの忘れてた!」と気づくのだ。銀行は信頼がすべてなので、「処理をすすめていない」とは答えられない。「処理に時間がかかってまして…」などとうそをついて、すぐに事務処理を始めるのだが、なかなか要領を得ない。そこではじめて先輩を捕まえて聞いた。ことの成り行きを知った先輩に「今まで何をしてたの!」ときつくお叱りを受けるハメになるのだが、今考えれば、何故すぐに処理をしなかったのだろうか?不思議に感じてしまう。「仕事を溜めない、握らないというのが一番重要だ」といつも言われていたのに…。

当時はかなり精神的にまいっていて、自分の処遇を卑屈に感じていたのが一番大きい原因だと思う。

入社当時は、エリート社会に入ったと思っていたのに、配属された現場はど田舎の支店。周りは住宅地と寺と中小企業だけのさびれた地域。やっている仕事はローンの受付。入社3ヶ月だとそんなものなのだが、心の中では入社早々変なコースに配属されたという意識で一杯で、はやくここを出たい。とそんなことばかり考えていた。だから仕事も身に入らず、仕事そのものもやらされているという意識が強かった。

都市銀行の仕事は大きな仕事だとばかり思っていたので、この支店でやっている仕事が非常につまらなく感じていた。独身寮に帰ると、同期がインパクトローン(外貨建てのローン)とか航空機ファイナンス(航空機購入を債券としたファンド)の話をしているなかで、自分だけカードローンがどうのこうのというのが恥ずかしくて、小さくなっていた。

今、考えれば、そういう大きな仕事は全体の歯車の一つであって、小さな営業店こそオールラウンドな仕事、いわば支店経営全体を見れる絶好のポジションだったのだ。その支店の出身の人はほとんどが、その次に中規模店に行き、その後大規模店に行き、幹部になっていたのだが、そういうことを知らずに日々悶々としていたのが、とても残念だった。

とにかく、「仕事を握り込む」ことが一番まずいということを理解した新入社員時代だった。

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税制改悪

先日、新会社法のセミナーに参加した。

新しい会社法になって、会社が作りやすくなったことは聞いていたが、実は一人で法人をつくるような「法人成り」を阻止するために役員報酬部分の給与所得控除損金不算入という税制改定になっているのは知らなかった。わかりやすくいえば単なる「増税」である。

タバコや発泡酒ではあきたらず、法人からもいただきやすいところから取っちゃえという政府の魂胆なのだ。それより歳出を減らせよ!と言いたくなる。無駄な事業を根こそぎ中止して、無駄な国会議員を首にしてほしい。

この税制改定ではオーナー一族がやっている企業の役員報酬部分のうち、給与所得控除にあたる部分が法人税の損金として扱われなくなってしまうのだ。つまり、その分が実質的な増税になるのだ。

新会社法になって「法人を作りやすくしましたよ〜」などと大きな声でいいながら、実際は、個人が法人成りすることには歯止めをかけているのだ。このセミナーで講演していた税理士さんが言っていたが、この書類がかなりややこしく、今年急に作ったものではなく、何年も前から準備していたに違いないとのことだ。政府は計画的に増税を謀っていたのだ。

これで割を食うのは、今から新規で起業しようとしている人ではなく、今まで苦労して会社組織にしていたオーナー企業なのだ。中小企業のほとんどは一族でやっているので、全部この「損金不算入」に該当してしまう。

結局、政府のやりたいことは大企業を保護し、中小企業からはとれるだけ税金をとるということなのだ。消費税の大幅増税なんかも噂されているが、あまりにも庶民いじめがすぎるのではないのだろうか?

政府はもう一度累進課税制度を見直し、大金持ちから税金を取ることを真剣に考えるべきだと思う。法人税も昔の税率に戻し、儲かっている大企業(特に銀行)からじゃんじゃん税金を上納させるしくみをつくるべきだ。

その分庶民(特に住宅ローンを抱えているぼくら中年サラリーマン)には減税し、消費を刺激するようにすべきだと思う。

なんだか、どんどん政策が間違った方向に進んでいるような気がしたそんなセミナーでした。ペケポン。
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Life Hacks

Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~
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すごい雑誌!こんな世界があったのかと、改めて感心。GTDのやり方に始まり、googleの活用方法、RSSリーダーの利用方法、マインドマップの使い方などなど、仕事の改善方法の最新事情を次々と紹介。

特に巻末の「執筆陣に聞きました!」がおもしろい。使っている道具や情報整理の仕方などがとても参考になる。

何度も何度もくり返して読んだので短期間にぼろぼろになってしまった。それくらい面白いです。超オススメです。
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